【完】あの子の隣にいるのはスキな人……
「今まで、幼馴染って言って傍にいたけど、
あの頃から……好きでした。
大好きでした。でも、付き合ってほしいなんて言わない。」
「才華……」
「好きなの、それを伝えたかった。今も。これからも。ずっと好きだと。」
「うん。」
啓人は静かにあたしの話を聞いてくれている。
「だから、これからも、幼馴染として、
そばに居てください。」
あたしは深々とお辞儀をした。
「才華、」
低くカッコいい声があたしの頭上に
落ちる。
ギュッ
え?
「当たり前だ……」
啓人の腕の暖かさ。
とても心地よかった。