【完】あの子の隣にいるのはスキな人……
あたしは、その小さな紙の端に、
【何もないよ。】
そう書いて隣に投げた。
一切、啓人を見ずに。
だって、今見ると涙が、
出ちゃうから……
もう、黒板が滲み始めている。
啓人が、優しくするから。
もう、あたし無理だ。
啓人達と居るのは。
辛すぎる……
あたし、残酷だな…
よりによって啓人だもんな。
なんで、啓人を好きになったのだろう。
ただの幼馴染で良かったのに。
いつの間にか啓人の彼女になりたいと思ってた。
もちろん。
今までの関係が崩れるのを恐れて
告白は出来なかったけれど…。