私と彼女と召喚と
偶然ってあるんですね……
城に着くと そこは謁見室の前だった。
ダン
「何か 悪いな。じゃ 中に入ろうか」
「はい 」
扉を開けると 話し声が聞こえてくる。
エリカ様の声?
何か懐かしいテンションの声だね?
何か凄く興奮してるんですけど……
エリカ
「先輩 凄い!勇者なんですね!」
先輩?
何か見たことある人がいる………
あれって 魔方陣に飲み込まれる前にエリカ様に告白してた ……… 名前なんだったっけ?
………… 思い出せない…… 。
ダン
「 連れて参りました。」
大王様
「ご苦労じゃ 。サァこちらへ 。」
「はい。」
ライトと一緒に 大王様の近くへ行く。
その間も エリカ様は話をしている。
大王様
「急な呼び出しで すまんな。どうしても こちらのイサム クロキが話したいと言ってな。」
イサム
「どうも 黒木 勇です。田中さんとも初めましてだけど 向こうでは弟がお世話になってました。」
ライト
「どうもライト フォワードです。向こうって?」
「 初めまして 田中智です。弟さん? …………もしかして佑樹君ですか?うちも弟がお世話になってます。」
イサム
「やっぱり!そうです。俺も巻き込まれたんです。 田中さんの事忘れてたんだけど、女神さんに記憶戻してもらったよ。何か 女神さんが心配してたし。」
「そうなんですか? アーシラト様にも心配かけてるんだな……… わざわざありがとうございます。それにしても…… 巻き込まれて大変でしたね。」
イサム
「本当…… お互い大変だよね。」
ライト
「えっ ………同じ世界から来たって事ですか?」
イサム
「そうですね。お互い知らなかったけど…… 」
懐かしい気分を感じていると
大王様
「二人とも 遅くにすまんかったなぁ。どうしても会いたいと言われての。それに今 イサムから聞いたんじゃが どうやら魔王が甦ったらしいのじゃ。 どうしたもんかの … 」
イサム
「女神からも助言は頂いてます。ただ …… 戦力的な問題がありまして、助力して頂けたらと思いまして。」
隣国で 勇者召喚された 勇者(イサムは巻き込まれだが)が前魔王が復活した事を 周りの国に 報告と 討伐に向けての協力要請してる所だって
どうやら 大地の浄化が間に合わず、倒した筈の前魔王が復活。
今の魔王は 人間を食料として考えていないみたいで、ここ二十年程は 魔界にしか生息していない薬草や鉱物などの貿易で国として 関わりがあり、いい関係なんだとか。
前魔王が復活したことも、魔界から知らせがあったみたいだし……
?
「勇 話は終わった?あれっ?あっ 君 エリカちゃんの友達だよね。いつも一緒にいた子だよね?」
エリカ
「あれっ? とも久しぶり。元気だった?原田先輩よ。覚えてる?」
あぁ …… そういえばそんな名前だったなぁ
「お久しぶりです。高校の先輩ですよね。」
原田先輩
「そうだよ。 原田龍一です。改めてよろしく。でも運命ってあるんだね。エリカちゃんもこの世界に来てるなんて!君もそう思うでしょう。」
「あー そうかも知れないですね?」
エリカ
「やっぱりそう思う? 先輩が来てくれたから安心です!」
また二人の世界で話し始めた
イサム
「運命って ……… 。あいつ って今流行りの鈍感ハーレム野郎って奴なんだよ。あぁめんどくせ…… 」
「でも偶然って凄いね…… 」
イサム
「いや…… 本当に。…… あいつだから勇者召喚されたんだろとは思う。何か皆忘れてるのにあいつだけ えりかちゃんの事 忘れてなかったみたいだし…… 問題は前魔王倒せるかどうかだケド 。」
ライト
「そこ問題あり何ですか?? その為に呼び出されたはずですよね?」
イサム
「そうだよな。 あっ普通に話そう。あんまり堅苦しいのに慣れてないんだよね。」
ライト
「ですが …… 大王様も居られるので 。」
ダン
「大丈夫だぞ。 貴族達がいるときだけ気をつければいいですよね?大王様。」
大王様
「そうじゃ。 気にせんでよい。続けてくれ。」
イサム
「ありがとうございます。田中さんは知ってるかな? あいつダメ勇者になってるんだよな…… あの鈍感ハーレム作っちゃう感じ……」
「えっ…………… あの? 自己中心で 周りを振り回す暴君ってやつですか?王女様や貴族のご令嬢を虜にしていく感じ?」
ダン
「なんだそれ。迷惑なだけだろ。」
イサム
「そう、本当迷惑なんですよね …… 残念ながら …… 。修行もしてないし。どうするんだろう。」
ライト
「うちと一緒って事だな…… 。イサムも苦労してんだ。お疲れさん。」
イサム
「そうなんだよ。でも初対面で理解してもらえたの初めてだわ。」
ダン
「そりゃ…… 見本が近くにあるからな。でどうするんだ?」
イサム
「うちの全帝曰く 魔王は完全復活は出来て無いから早めに潰してしまおうって事になりそうです。 」
ダン
「それが一番かもな。でうちにも協力しろって?」
イサム
「はい 本当話が早くて助かります。うちだけじゃ戦力が足りないみたいで ご協力頂けますか?」
大王様
「心配無い。西の賢者からもそう聞いておる。勿論協力させて貰う。」
イサム
「ありがとうございます。」
話が一段落すると 横から声がかかる
龍一
「まだ話終わらないだろ? エリカちゃんと散歩に行ってくるから 。」
言い終わった側から エリカ様と歩き出して庭へ行ってしまった。
えっ?
話しに参加しないんですか?
イサム
「お前 バカなのか! お前が勇者なんだぞ!お前から頼まないとダメだろ…… 」
後ろ姿に向かい 叫んでいるが 聞こえて無いのかな?
「……… 大変だね。」
大王様
「まぁまぁ イサムよ。西の賢者もこの世界の意思は この世界をどうしたいんじゃろと嘆いておったわい。やはり早めに手を打しか無いのう。」
イサム
「ありがとうございます。」