駆け引きオフィスラブ〜幼なじみにはカナワナイ?〜
「違います。必死で探しても見つからなかったんです。返してください。本当それ大切な人から貰ったんです」



「だったら余計に返す気ない。そんなに欲しけりゃ俺が買ってやるよ」



「・・・もしかして、妬いてるんですか?あたしの大切な父親に」



「はあ?!父親?!」



「はい。就職祝いに父親に買ってもらったんです」



ニヤニヤとほくそ笑みながら言うと彼は観念したのかあたしの掌にネックレスを返してキッチンのものをまた黙々と段ボールに詰め始めた。



父親に妬いてるよ、あの人。


一人でクスクス笑みが止まらなくて、テーブルの上に置いた柿ピーに手を伸ばしながらあたしも段ボールに荷物を詰めるのを再開した。
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