駆け引きオフィスラブ〜幼なじみにはカナワナイ?〜
「ちょ、ちょっと離してよ!みんな見てるでしょ」



「見せつけとけばいいんだよ。 どうせここは結婚式場なんだから。それより川上、無理言って悪いな」



「いや、こんなことでもない限り、井沢さんは無理をするだろうから返っていい機会だよ」



湊の胸の中から解放されたのも束の間、肩に手を置かれ二人で勝手な会話をした挙句、そのまま湊は裏口に足を進めようとする。



「ちょ、ちょっと湊!あたし今から仕事なんだけど」



「お前、今日有給。もう川上には話してある。せっかく俺が会いにきてやったんだからもう少し喜べよ。今日は神戸デートするぞ」



強引過ぎてついていけない。



それなのにあっさりと開けられた助手席に黙々と座り込むあたしはやっぱり湊が来てくれて嬉しい。



会いたかったから。淋しかったから。
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