駆け引きオフィスラブ〜幼なじみにはカナワナイ?〜
慣れた手つきでカーナビに場所を登録する湊を横目で見ながら彼がここにいることを改めて実感した。


でも、あたしは話さなくちゃいけないことがある。



「ねえ、湊。あたしね、話したいことがあるの」



「・・・聞くのは俺だ。俺が聞くって言うまで黙ってろ」



なんだそれ。俺様?



結局そんなことを言われて口を開くわけにもいかなくてあたしは少しだけ窓を開けた。



目的地に車を走らせる。窓から入る風は気持ちいい。


車内では湊があたしの好きな曲を掛けてくれている。せっかく会えたのにどちらも無言で空気は重い。
< 218 / 315 >

この作品をシェア

pagetop