蜜事は研究室で
──わたしとこの変人シツチョーとの出会いは、約1ヶ月と半月前。
4月後半の、ある日の放課後。高校に入学したばかりのわたしは、非常に困っていた。
「あう……総合実践室ってどこぉ……」
染色していない自然のままのみつあみに、赤いプラスチックフレームのメガネ。そんなデフォルトのわたしは、どこからどう見ても平凡地味系女子高生だろう。
膝上15㎝にしたスカートが、唯一やぼったさを軽減してくれているだろうか。しかもこれは裁縫好きなわたしの母親が、「このスカートのプリーツはこの長さが1番綺麗に見えるのよ」とかなんとか語尾にハートマークを飛ばしながら本人の許可なく勝手にやったことなので、わたしの意思でも何でもない。
──とにかく、このときわたしは困っていた。
他のクラスメイトたちよりも一足遅れて自転車通学の申請をしたわたしを、担任教師が許可証を交付するために呼び出したのだ。
だがしかし、あいにくとわたしは極度の方向音痴。入学したばかりの校舎に、まだ慣れているわけもなく。
わたしは校内で迷子になるという、非常に恥ずかしい事態に陥っていたのだった。
4月後半の、ある日の放課後。高校に入学したばかりのわたしは、非常に困っていた。
「あう……総合実践室ってどこぉ……」
染色していない自然のままのみつあみに、赤いプラスチックフレームのメガネ。そんなデフォルトのわたしは、どこからどう見ても平凡地味系女子高生だろう。
膝上15㎝にしたスカートが、唯一やぼったさを軽減してくれているだろうか。しかもこれは裁縫好きなわたしの母親が、「このスカートのプリーツはこの長さが1番綺麗に見えるのよ」とかなんとか語尾にハートマークを飛ばしながら本人の許可なく勝手にやったことなので、わたしの意思でも何でもない。
──とにかく、このときわたしは困っていた。
他のクラスメイトたちよりも一足遅れて自転車通学の申請をしたわたしを、担任教師が許可証を交付するために呼び出したのだ。
だがしかし、あいにくとわたしは極度の方向音痴。入学したばかりの校舎に、まだ慣れているわけもなく。
わたしは校内で迷子になるという、非常に恥ずかしい事態に陥っていたのだった。