裏表×2
イケメンくんの言葉に快と夏木くんの言い合いがピタリと止まる。おぉ!凄いし!
てか、このイケメンくん二人の知り合いなんだ?
彼の言葉に夏木くんが反応する。
「久しぶりですね、琉斗(りゅうと)。とりあえず僕のことをちゃん付けで呼ぶのは止めてもらえますか?」
「えー、相変わらずケチだなあ。ねー、快ちゃん!」
「ねー!」
イケメンくんの言葉に快が便乗する。
表面上は表情の変わらない夏木くんだったけど、そのオーラは更に禍々しさがアップしたみたい。
うわー、快とイケメンくん強!
ボーッと3人の様子を見ていると不意にイケメンくんが私の方を振り向いた。
「はじめましてっ!快ちゃんと蓮ちゃんの従兄弟に当たる5組の渡来 琉斗(わたらい りゅうと)ともーします。よろしくね、ハルセ?ちゃん!」
イケメンくん、改め渡来くんが自己紹介をしてくる。
金に近い長目の茶髪に色素の薄い茶色いタレ目が特徴的。背も高くて多分180くらいあるのかな?着崩した制服に所々から覗くピアスとかのボディアクセが軟派な雰囲気を醸し出してる。てか、ぶっちゃけチャラ男にしか見えない。
そんなことを考えながていると渡来くんから「ハルセちゃん?」ともう一度呼ばれた。
彼の言葉にハッと現実に引き戻される。
ヤバ!凝視してしまってたし!
「あ、ごめんなさい!えっと、坂口遥沙です!快とは中学からの友人でえっと…その、よろしくお願いします!」
キャー!恥ずかし。なんか焦ってどもってしまった。
恐らく真っ赤になっているであろう私に渡来くんがヘラりと笑いながら話しかける。
「おー!これが快がいつも話す噂のハルセちゃん!
オレのことは琉斗て呼んでー!あと、敬語は抜きね!」
固いの苦手だからねー!と言いながらまたヘラりとした笑顔を浮かべた。
琉斗の笑顔はなんか愛嬌がある。
「うん、じゃ遠慮なくタメ口使わせてもらうね♪」
そう言ってにへへーと二人で笑っていると突然快に抱きつかれた。
「ハルセー!そんな笑顔も出来たんだね!超可愛い!まじ癒し!」
そうテンション高く叫びながら私の首にギューっと抱きつく快。それはもう冗談になんないくらいの馬鹿力で。
あれ?何かふわふわした感じがするような‥‥。
「快ちゃん止めたげなー。遥ちゃん気絶しそうだよ?」
意識が遠退く直前、再び琉斗の救いの声によって助けられた。
いやー、マジありがとお。快はちょっと不満気だったけどね。
いとこってやっぱ凄いね!暴走してた快を止めることが出来るとは!そのスペック分けてよ!
それよりも、琉斗の自己紹介聞いて最初に思ったんだけどさ。
快たちの親族一ヶ所に固まり過ぎじゃない?
ほんとに素直にそう思っちゃうよね!