裏表×2
嫌なやつ見つけた
入学式に浮かれてました
遥紗side<
「よし、完璧!」
高校の門の少し手前のところで鏡を見て呟く私。
名前は坂口 遥紗(さかぐち はるせ)。
鏡をパタンと閉じて改めて巨大な高校の校舎を見た。中学とはくらべものになんないくらい大きい。
今日から私はこの〈私立 静華第一高校〉の生徒。
つまり花の高校1年生♪
(高校は平和に過ごしてみせる!)
私の高校3年間の目標。
改めて決意し直したところで再び校門の方に向かって歩く。
で、歩いていると‥‥
「ハルセーーー♪」
どん、と親友の新見 快(にいみ かい)から強烈なタックルをお見舞いされた。超痛い。
しかもそのまま見かけに反する腕力を駆使して抱きついてきた。耳を澄ましたら首を締めるギュー、って音が聞こえてきそう。ヤバい、ギブギブ!
そんな私にお構い無く、てか気づく様子もなく快はテンショク高めで話をする。
「ハルセ、今日も可愛い!
同じこうこーに入れてほんと良かったぁ♪」
うん、私も嬉しいよ。わかったから手の力を緩めてくれないかな。
首に思いっきり抱きつかれて喋ることもできなかったので、代わりにポンポンと快の腕を叩いた。
ほんとに窒息するって!
さすがに快も私の限界に気づいたらしい。
ごめん、って笑いながら私を解放してくれた。助かった。
「勘弁してよ、快。朝から死ぬかと思った。」
そう言ってため息を吐いて、ことの原因である親友を改めて見る。
快は見た目は爽やかな美人さん。ストレートのサラサラの茶髪が背中辺りまであって、二重のおっきな目が印象的。
街を歩けば、ひっきりなしにナンパされるってタイプ。お世辞なしにめちゃくちゃ可愛い。
そんな快は実は根っからの空手少女。さっきのでわかるように力が超強い。
前に普通の大人の男の人なら余裕で倒せるって言ってた。‥‥しかも爽やかな笑顔で。
とはいえ、サバサバしてて変に気をつかわないでいいから快とは一緒にいて落ち着く。中学の時もずっと一緒にいた。
「私も快と一緒の高校で超嬉しいよ♪」
マジで心からそう思う。私が笑顔でそう言うと‥‥‥
「もーー!ハルセ可愛いー!」
そう言ってまた私の首に抱きついてきた。
え、このくだりもう1回すんの?
慌てて窒息死する前に快をはがす。
「てか、このかっこのどこが可愛いの?
普通にダサいじゃん。」
息切れしながら言う。
まぁ、私のかっこはお世辞にも可愛いとは言えない。てか、はっきり言ってダサい。
何にも手をいれていない真っ黒な髪を耳の後ろ辺りで結んでる。顔には超でかいくろぶち眼鏡。おまけにスカートは膝たけとどっからどー見てもダサ子だ。
普通今の私のかっこを見て可愛いとか思う人いないって。
すると快は私の頭をポンポンと叩きながら言う。
「いやー、普段とのギャップがたまんないんだよ♪
もちろんふつーのハルセも可愛いけど今のハルセも超 可愛い!」
そう言ってニコニコ笑う快の笑顔に思わず見とれる。
(お前の方が可愛いだろ!)
思わずそう言いそうになるけど直前に我慢。
だって、言ったらまた抱き締められそうだもん。
1日にそう何度も命の危機に晒されるのはやだ。
何も言わない私を快がまだポンポン頭を叩いてる。
いや、もう叩かなくっていいって。
私の背は快より10センチくらい高い。なので、今の光景は快が私をあやしてるように周りから見えるんじゃない?
そう思うと、恥ずかしくなってきた。
快にやめさせようと口を開いた瞬間‥‥‥
キーンコーン、カーンコーン
学校のチャイムが響いた。入学式早々遅刻。
私と快は青い顔でお互い顔を見合わせる。
次の瞬間、二人で全速力で体育館にダッシュした。
どうかまだ間に合いますよーに!!!
「よし、完璧!」
高校の門の少し手前のところで鏡を見て呟く私。
名前は坂口 遥紗(さかぐち はるせ)。
鏡をパタンと閉じて改めて巨大な高校の校舎を見た。中学とはくらべものになんないくらい大きい。
今日から私はこの〈私立 静華第一高校〉の生徒。
つまり花の高校1年生♪
(高校は平和に過ごしてみせる!)
私の高校3年間の目標。
改めて決意し直したところで再び校門の方に向かって歩く。
で、歩いていると‥‥
「ハルセーーー♪」
どん、と親友の新見 快(にいみ かい)から強烈なタックルをお見舞いされた。超痛い。
しかもそのまま見かけに反する腕力を駆使して抱きついてきた。耳を澄ましたら首を締めるギュー、って音が聞こえてきそう。ヤバい、ギブギブ!
そんな私にお構い無く、てか気づく様子もなく快はテンショク高めで話をする。
「ハルセ、今日も可愛い!
同じこうこーに入れてほんと良かったぁ♪」
うん、私も嬉しいよ。わかったから手の力を緩めてくれないかな。
首に思いっきり抱きつかれて喋ることもできなかったので、代わりにポンポンと快の腕を叩いた。
ほんとに窒息するって!
さすがに快も私の限界に気づいたらしい。
ごめん、って笑いながら私を解放してくれた。助かった。
「勘弁してよ、快。朝から死ぬかと思った。」
そう言ってため息を吐いて、ことの原因である親友を改めて見る。
快は見た目は爽やかな美人さん。ストレートのサラサラの茶髪が背中辺りまであって、二重のおっきな目が印象的。
街を歩けば、ひっきりなしにナンパされるってタイプ。お世辞なしにめちゃくちゃ可愛い。
そんな快は実は根っからの空手少女。さっきのでわかるように力が超強い。
前に普通の大人の男の人なら余裕で倒せるって言ってた。‥‥しかも爽やかな笑顔で。
とはいえ、サバサバしてて変に気をつかわないでいいから快とは一緒にいて落ち着く。中学の時もずっと一緒にいた。
「私も快と一緒の高校で超嬉しいよ♪」
マジで心からそう思う。私が笑顔でそう言うと‥‥‥
「もーー!ハルセ可愛いー!」
そう言ってまた私の首に抱きついてきた。
え、このくだりもう1回すんの?
慌てて窒息死する前に快をはがす。
「てか、このかっこのどこが可愛いの?
普通にダサいじゃん。」
息切れしながら言う。
まぁ、私のかっこはお世辞にも可愛いとは言えない。てか、はっきり言ってダサい。
何にも手をいれていない真っ黒な髪を耳の後ろ辺りで結んでる。顔には超でかいくろぶち眼鏡。おまけにスカートは膝たけとどっからどー見てもダサ子だ。
普通今の私のかっこを見て可愛いとか思う人いないって。
すると快は私の頭をポンポンと叩きながら言う。
「いやー、普段とのギャップがたまんないんだよ♪
もちろんふつーのハルセも可愛いけど今のハルセも超 可愛い!」
そう言ってニコニコ笑う快の笑顔に思わず見とれる。
(お前の方が可愛いだろ!)
思わずそう言いそうになるけど直前に我慢。
だって、言ったらまた抱き締められそうだもん。
1日にそう何度も命の危機に晒されるのはやだ。
何も言わない私を快がまだポンポン頭を叩いてる。
いや、もう叩かなくっていいって。
私の背は快より10センチくらい高い。なので、今の光景は快が私をあやしてるように周りから見えるんじゃない?
そう思うと、恥ずかしくなってきた。
快にやめさせようと口を開いた瞬間‥‥‥
キーンコーン、カーンコーン
学校のチャイムが響いた。入学式早々遅刻。
私と快は青い顔でお互い顔を見合わせる。
次の瞬間、二人で全速力で体育館にダッシュした。
どうかまだ間に合いますよーに!!!