裏表×2
運が悪い日はとことん悪い
遥紗side<
3組に駆け込んですぐに快を探す。
周りの人が不審者を見るような目で私をみてるけど、とにかく今は快を探す方が先!
キョロキョロしてると、後ろから声をかけられた。
「あれー、遥紗ちゃんじゃん。」
振り返ると、同じ中学だった男子二人が立っていた。
「高校でもそんなダセェかっこしてんの?」
そう言うとギャハハハと大きい声で笑った。
うるさい。今機嫌が悪いんだよ。
そう思ったけど、口には出さない。あくまで事務的な笑顔で応じる。
「あー、うん。あはは。
ごめん、今人探してるから。」
そう言って、彼らの前から立ち去ろうとするが突然腕を引っ張られた。
「何?」
さっきよりも強い口調で言うが向こうはニヤニヤしたまんまだ。そのまま私の耳元に顔を近づけて喋る。
「中学の時はおにーさんも同じがっこだったから手ぇ出せなかったけどさぁ。このがっこでは邪魔するやついないわけじゃん。」
耳に息がかかって背中がゾワゾワする。
声がザラついていて不快感を覚えた。
「だから?」
少し体を離しながら言うが腕をがっしり捕まれているのでそんなに離れられない。
「ばらされたくないだろ?」
ビクッと体が反応する。
「お前ばれたくないからこのがっこ来たんだろうけど、俺たちにとってはいい餌にしかなんねーぜ。
何でおにーさんと同じとこ行かなかったんだよ?」
ニヤニヤ。
「何なら今ここで大声で言ってやってもいいんだぜ?」
「っ!やめて!」
とっさに大きめの声が出る。
向こうは依然ニヤニヤした顔のまま私を見ていた。
「要件は何?」
呟くように尋ねると、向こうの笑顔は余計に大きくなった。首を冷や汗が伝う。
「実はさ、何人かの先輩に喋っちゃったんだよお前のこと。そしたら先輩さ何人か味見がしたいんだと。悪いけど、俺たちのために先輩の相手してくんね?」
吐き気がする。高校入って早々ほんとついてない。
「いつ?」
震える声でやっと答える。
そいつは「ありがとな」と耳元で囁くと「放課後に体育館裏に来て。」とクスクス笑いながら言った。
そうして言うだけ言うと、3組らしいそいつは自分の席の方に歩いていく。
私は暫くその場を動けないでいた。すると、
「なにやってんの、ハルセ?」
ポンと私の肩を叩いて快が話しかけてきた。
「んーん、快に話あったんだけど休み時間終わりそうだから後で話すね。」
肩を叩かれて一瞬ビクッとしたが辛うじて答える。
「ごめんね、トイレ行ってたんだ。急ぎの話?」
快が顔の前で手を合わせて謝ってくる。
「いや、急ぎじゃないから大丈夫だよ。」
手を振りながら答える。
「そう?じゃ、放課後聞くよ!一緒帰ろう!」
快の言葉に反応してまたビクッとしそうになる。
あいつらの視線がこっちに向いているようで、思わず教室の方を見渡した。
「何?どうかした?」
快が下からのぞきこんで聞いてくる。
私はとっさに快に向きなおって早口に言った。
「何でもないよ!てか、ごめん。放課後予定あるから一緒帰れないや。」
春なのにじわじわと首に汗が滲む。
「そうなんだ。じゃ、帰ったらラインでもしてよ。
それより、ハルセ顔色悪いよ?だいじょぶ?」
快が心配そうな顔で聞いてきた。
快を巻き込むわけにはいかないし、心配かけたくもない。
「平気、平気」
そう笑って答える。
そうこうしているうちに休み時間が終わりそうになってきた。快にバイバイと言って、自分のクラスに戻る。
3組から出ると今度は夏木君とばったり会った。
夏木君が私の目をジーっと見てくる。
(もしかして見られてた?!)
その視線に耐えられなくて、プイっと目をそらして早足に教室を目指した。
ほんと今日はついてない。
ついてないことだらけで嫌になる。
3組に駆け込んですぐに快を探す。
周りの人が不審者を見るような目で私をみてるけど、とにかく今は快を探す方が先!
キョロキョロしてると、後ろから声をかけられた。
「あれー、遥紗ちゃんじゃん。」
振り返ると、同じ中学だった男子二人が立っていた。
「高校でもそんなダセェかっこしてんの?」
そう言うとギャハハハと大きい声で笑った。
うるさい。今機嫌が悪いんだよ。
そう思ったけど、口には出さない。あくまで事務的な笑顔で応じる。
「あー、うん。あはは。
ごめん、今人探してるから。」
そう言って、彼らの前から立ち去ろうとするが突然腕を引っ張られた。
「何?」
さっきよりも強い口調で言うが向こうはニヤニヤしたまんまだ。そのまま私の耳元に顔を近づけて喋る。
「中学の時はおにーさんも同じがっこだったから手ぇ出せなかったけどさぁ。このがっこでは邪魔するやついないわけじゃん。」
耳に息がかかって背中がゾワゾワする。
声がザラついていて不快感を覚えた。
「だから?」
少し体を離しながら言うが腕をがっしり捕まれているのでそんなに離れられない。
「ばらされたくないだろ?」
ビクッと体が反応する。
「お前ばれたくないからこのがっこ来たんだろうけど、俺たちにとってはいい餌にしかなんねーぜ。
何でおにーさんと同じとこ行かなかったんだよ?」
ニヤニヤ。
「何なら今ここで大声で言ってやってもいいんだぜ?」
「っ!やめて!」
とっさに大きめの声が出る。
向こうは依然ニヤニヤした顔のまま私を見ていた。
「要件は何?」
呟くように尋ねると、向こうの笑顔は余計に大きくなった。首を冷や汗が伝う。
「実はさ、何人かの先輩に喋っちゃったんだよお前のこと。そしたら先輩さ何人か味見がしたいんだと。悪いけど、俺たちのために先輩の相手してくんね?」
吐き気がする。高校入って早々ほんとついてない。
「いつ?」
震える声でやっと答える。
そいつは「ありがとな」と耳元で囁くと「放課後に体育館裏に来て。」とクスクス笑いながら言った。
そうして言うだけ言うと、3組らしいそいつは自分の席の方に歩いていく。
私は暫くその場を動けないでいた。すると、
「なにやってんの、ハルセ?」
ポンと私の肩を叩いて快が話しかけてきた。
「んーん、快に話あったんだけど休み時間終わりそうだから後で話すね。」
肩を叩かれて一瞬ビクッとしたが辛うじて答える。
「ごめんね、トイレ行ってたんだ。急ぎの話?」
快が顔の前で手を合わせて謝ってくる。
「いや、急ぎじゃないから大丈夫だよ。」
手を振りながら答える。
「そう?じゃ、放課後聞くよ!一緒帰ろう!」
快の言葉に反応してまたビクッとしそうになる。
あいつらの視線がこっちに向いているようで、思わず教室の方を見渡した。
「何?どうかした?」
快が下からのぞきこんで聞いてくる。
私はとっさに快に向きなおって早口に言った。
「何でもないよ!てか、ごめん。放課後予定あるから一緒帰れないや。」
春なのにじわじわと首に汗が滲む。
「そうなんだ。じゃ、帰ったらラインでもしてよ。
それより、ハルセ顔色悪いよ?だいじょぶ?」
快が心配そうな顔で聞いてきた。
快を巻き込むわけにはいかないし、心配かけたくもない。
「平気、平気」
そう笑って答える。
そうこうしているうちに休み時間が終わりそうになってきた。快にバイバイと言って、自分のクラスに戻る。
3組から出ると今度は夏木君とばったり会った。
夏木君が私の目をジーっと見てくる。
(もしかして見られてた?!)
その視線に耐えられなくて、プイっと目をそらして早足に教室を目指した。
ほんと今日はついてない。
ついてないことだらけで嫌になる。