黄金(きん)の林檎
「母が外で待っているので連れて行きますね? 改めて姉からお礼させますので」
「わざわざ迎えに来てくれてありがとね。こっちこそ助かったよ」
「いいえ」
担ぎ上げようと姉の背中に手を入れた瞬間だった。
後ろから話しかけられる。
「ねね。榛名さんの弟なんでしょ? 名前何て言うの?」
後ろを振り向くと、少し派手めな女だった。
服装も胸のところが大きく開き、白いミニスカートだ。
自分が年上なことをふまえて好奇心丸出しで話しかけてくる。
「稜です」
「稜くん? 高校生?」
「いいえ、中3です」
「中3!? うそー!見えない!」
女が話しかけてきたのをきっかけに、2、3人の女が話しかけてきた。
「彼女とかいたりするの?」
「いえ、まだいません」
「そうなんだー」
「ねー一緒に飲まない?」
今さっき中学生だと言ったばかりなのに平気で未成年を酒に誘うとは呆れる。
未成年が飲んでいるとなれば、この店は営業停止になり迷惑がかかるのだ。
そういうことも考えずに誘っているのだろう。
愚かな女の相手は面倒くさい。
もちろんそんなことは表には出さない。
少しだけ大人びた笑みで首を横に振った。
「未成年ですし、母が外で待ってますので」
「えー。じゃあさ、飲まなくてもいいから一緒におしゃべりしようよー」
「すみませんが店の前に車を停めているので」
やんわりと断ると女は俺の腕を掴む。
「ええーいいじゃん。ね?ねー?」
「だめですよ亜季先輩。稜くん。もう和泉連れて行って?」
「あ、はい」
三木谷さんが女の手をやんわりと外す。
「ちょっと三木谷!」
「外で母親が待ってるんですよ? あんまり出てくるのが遅かったら心配させるじゃないですか」
「ちょっとくらい大丈夫でしょ!」
「ちょっととか、そういうことじゃないと思います」
女と話している姉の友人はちゃんとした人のようで安心した。
この人なら姉を傷つけたりしないだろう。
また腕をつかまれないうちにさっさと姉を抱き上げる。
「では、ざわざわ連絡してくださってありがとうございます。これで失礼します。ゆっくりと楽しんでくださいね」
頭を下げてさっさと背中を向けた。
後ろで少し言い合っているのが聞こえたが気にしない。
いくら姉が痩せてて小さいといっても横抱き、いわゆるお姫様だっこで歩くのはまだ大変だったが、目の前に停まっている車の後部座席に姉を寝かせて助手席に乗り込む。
「ずいぶん遅かったのね?」
「ああ、絡まれた」
「お酒が入っているからしょうがないわね」
心配していた母が俺の答えに少し困ったように笑った。
その時の俺はそれどころじゃなかったのだ。
後部座席のドアを開けた時、少しバランスを崩してしまい。
慌てて立て直そうと焦った為に、ほんの一瞬だけ唇が姉の唇に触れたのだ。
ほんの一瞬だけの事故。
触れただけの唇。
それはどうしようもないくらい衝撃的で、俺に刺激をもたらした。
家に着いて姉を2階の部屋に運びベットに降ろした時。
どうしても我慢できなくて、俺は姉にキスをした。
さっきのような一瞬だけの触れるようなものではなく、姉の唇を味わうようなキス。
甘くて痺れるような感覚に眩暈がした。
一度してしまえば後は簡単だ。
満足は出来なかったが、その日は数回だけキスをした。
「わざわざ迎えに来てくれてありがとね。こっちこそ助かったよ」
「いいえ」
担ぎ上げようと姉の背中に手を入れた瞬間だった。
後ろから話しかけられる。
「ねね。榛名さんの弟なんでしょ? 名前何て言うの?」
後ろを振り向くと、少し派手めな女だった。
服装も胸のところが大きく開き、白いミニスカートだ。
自分が年上なことをふまえて好奇心丸出しで話しかけてくる。
「稜です」
「稜くん? 高校生?」
「いいえ、中3です」
「中3!? うそー!見えない!」
女が話しかけてきたのをきっかけに、2、3人の女が話しかけてきた。
「彼女とかいたりするの?」
「いえ、まだいません」
「そうなんだー」
「ねー一緒に飲まない?」
今さっき中学生だと言ったばかりなのに平気で未成年を酒に誘うとは呆れる。
未成年が飲んでいるとなれば、この店は営業停止になり迷惑がかかるのだ。
そういうことも考えずに誘っているのだろう。
愚かな女の相手は面倒くさい。
もちろんそんなことは表には出さない。
少しだけ大人びた笑みで首を横に振った。
「未成年ですし、母が外で待ってますので」
「えー。じゃあさ、飲まなくてもいいから一緒におしゃべりしようよー」
「すみませんが店の前に車を停めているので」
やんわりと断ると女は俺の腕を掴む。
「ええーいいじゃん。ね?ねー?」
「だめですよ亜季先輩。稜くん。もう和泉連れて行って?」
「あ、はい」
三木谷さんが女の手をやんわりと外す。
「ちょっと三木谷!」
「外で母親が待ってるんですよ? あんまり出てくるのが遅かったら心配させるじゃないですか」
「ちょっとくらい大丈夫でしょ!」
「ちょっととか、そういうことじゃないと思います」
女と話している姉の友人はちゃんとした人のようで安心した。
この人なら姉を傷つけたりしないだろう。
また腕をつかまれないうちにさっさと姉を抱き上げる。
「では、ざわざわ連絡してくださってありがとうございます。これで失礼します。ゆっくりと楽しんでくださいね」
頭を下げてさっさと背中を向けた。
後ろで少し言い合っているのが聞こえたが気にしない。
いくら姉が痩せてて小さいといっても横抱き、いわゆるお姫様だっこで歩くのはまだ大変だったが、目の前に停まっている車の後部座席に姉を寝かせて助手席に乗り込む。
「ずいぶん遅かったのね?」
「ああ、絡まれた」
「お酒が入っているからしょうがないわね」
心配していた母が俺の答えに少し困ったように笑った。
その時の俺はそれどころじゃなかったのだ。
後部座席のドアを開けた時、少しバランスを崩してしまい。
慌てて立て直そうと焦った為に、ほんの一瞬だけ唇が姉の唇に触れたのだ。
ほんの一瞬だけの事故。
触れただけの唇。
それはどうしようもないくらい衝撃的で、俺に刺激をもたらした。
家に着いて姉を2階の部屋に運びベットに降ろした時。
どうしても我慢できなくて、俺は姉にキスをした。
さっきのような一瞬だけの触れるようなものではなく、姉の唇を味わうようなキス。
甘くて痺れるような感覚に眩暈がした。
一度してしまえば後は簡単だ。
満足は出来なかったが、その日は数回だけキスをした。