黄金(きん)の林檎
「和泉ちゃん、今日はバイト?」
朝ごはんを食べていた私に喜和子さんがエプロンで手を拭きながら今日の予定を聞いてくる。
「ううん、でも夜、サークルの飲み会があるの」
「飲み会? やだ、和泉ちゃんお酒弱いんだからあんまり飲みすぎちゃだめよ? 飲み会が終わる少し前に電話してちょうだい。稜を迎えにやるから」
「そんなことしなくていいよ。今回は本当に大丈夫あまり飲まないから」
「でも……」
喜和子さんが心配するのもわかる。
基本的にお酒には弱いらしく、そんな私を喜和子さんが心配してしまう。
少ししか飲んでいないのに毎回途中で記憶をなくし、目が覚めるといつの間にか自分のベットで寝ているのだ。
聞いた話しだと、すぐに完全に酔いつぶれてしまうらしい。
初めての飲み会の時、酔いつぶれてしまった私を心配した友だちが家に電話してくれたらしく、それで稜が迎えに来てくれて連れ帰ってくれたらしい。
初めて稜を見た瞬間、みんなどよめいたとか。
稜は喜和子さんに似て美人系の優しく真面目そうな清潔感のあるイケメンなのだ。
次の日、稜を紹介してと飲み会に参加した女の子の何人かが私のところへ来た。
稜はまだ高校生だ。
紹介なんて出来ない。
そう断ったけれど、友だちはみんな稜に会いたくって私が潰れる度に家に連絡する。
サークルの飲み会が結構頻繁なのは企画する女の子達が稜に会いたくてやっているせいだという噂があるくらいだ。
「どうしたの?」
何とか説得しようと思ったとたん、後ろから稜の声がした。
振り向くと制服姿の稜が私の斜め前に座る。
朝食を食べに来たのだろう。
「和泉ちゃん、今日飲み会なんですって」
「また?」
サラダを稜の前に置きながら喜和子さんが飲み会のことを言ってしまう。
その言葉に稜が驚いている。
つい先週飲み会したばかりなので驚くのもしょうがないのかもしれない。
「稜、ちゃんと迎えに行ってあげてちょうだいね?」
「それはいいけど……最近、少し多いんじゃないの?」
「……」
「今月に入ってから4回目? ……確かに多いかもしれないわね」
飲み会を企画しているある女の子が稜に対しかなり本気らしく、稜に会いたくて飲み会を企画しているらしい。
その話しを聞くともやもやした気持ちになるが私にはどうすることも出来ないのだ。
稜が迎えに来ている時は完全につぶれていて、その子とどうなっているのかすらわからない。
私が入ったサークルの活動は星を見るのがメイン。
それなのに飲み会ばかりで夏前だというのにプラネタリウムにすら行ったことがない。
しかもサークルに所属している限り飲み会にはほぼ強制参加らしく、メンバーの殆どが毎回参加するので欠席しずらい状況だった。
「……心配かけてごめんなさい。もう少し飲み会を減らせないかちょっと聞いてみるから」
「そうね。あんまり行動の制約したくないけれどパパも少し多いって嫌がっているようなの。和泉ちゃんそうしてくれる?」
こんなに頻繁に飲み会があって、家族を心配させているのかと思うと申し訳なくなってしまう。
正直、サークルを辞めた方がいいかもしれないと思うようになっていた。
朝ごはんを食べていた私に喜和子さんがエプロンで手を拭きながら今日の予定を聞いてくる。
「ううん、でも夜、サークルの飲み会があるの」
「飲み会? やだ、和泉ちゃんお酒弱いんだからあんまり飲みすぎちゃだめよ? 飲み会が終わる少し前に電話してちょうだい。稜を迎えにやるから」
「そんなことしなくていいよ。今回は本当に大丈夫あまり飲まないから」
「でも……」
喜和子さんが心配するのもわかる。
基本的にお酒には弱いらしく、そんな私を喜和子さんが心配してしまう。
少ししか飲んでいないのに毎回途中で記憶をなくし、目が覚めるといつの間にか自分のベットで寝ているのだ。
聞いた話しだと、すぐに完全に酔いつぶれてしまうらしい。
初めての飲み会の時、酔いつぶれてしまった私を心配した友だちが家に電話してくれたらしく、それで稜が迎えに来てくれて連れ帰ってくれたらしい。
初めて稜を見た瞬間、みんなどよめいたとか。
稜は喜和子さんに似て美人系の優しく真面目そうな清潔感のあるイケメンなのだ。
次の日、稜を紹介してと飲み会に参加した女の子の何人かが私のところへ来た。
稜はまだ高校生だ。
紹介なんて出来ない。
そう断ったけれど、友だちはみんな稜に会いたくって私が潰れる度に家に連絡する。
サークルの飲み会が結構頻繁なのは企画する女の子達が稜に会いたくてやっているせいだという噂があるくらいだ。
「どうしたの?」
何とか説得しようと思ったとたん、後ろから稜の声がした。
振り向くと制服姿の稜が私の斜め前に座る。
朝食を食べに来たのだろう。
「和泉ちゃん、今日飲み会なんですって」
「また?」
サラダを稜の前に置きながら喜和子さんが飲み会のことを言ってしまう。
その言葉に稜が驚いている。
つい先週飲み会したばかりなので驚くのもしょうがないのかもしれない。
「稜、ちゃんと迎えに行ってあげてちょうだいね?」
「それはいいけど……最近、少し多いんじゃないの?」
「……」
「今月に入ってから4回目? ……確かに多いかもしれないわね」
飲み会を企画しているある女の子が稜に対しかなり本気らしく、稜に会いたくて飲み会を企画しているらしい。
その話しを聞くともやもやした気持ちになるが私にはどうすることも出来ないのだ。
稜が迎えに来ている時は完全につぶれていて、その子とどうなっているのかすらわからない。
私が入ったサークルの活動は星を見るのがメイン。
それなのに飲み会ばかりで夏前だというのにプラネタリウムにすら行ったことがない。
しかもサークルに所属している限り飲み会にはほぼ強制参加らしく、メンバーの殆どが毎回参加するので欠席しずらい状況だった。
「……心配かけてごめんなさい。もう少し飲み会を減らせないかちょっと聞いてみるから」
「そうね。あんまり行動の制約したくないけれどパパも少し多いって嫌がっているようなの。和泉ちゃんそうしてくれる?」
こんなに頻繁に飲み会があって、家族を心配させているのかと思うと申し訳なくなってしまう。
正直、サークルを辞めた方がいいかもしれないと思うようになっていた。