青の向こう



今も夏が嫌いか、と聞かれると私はやはり嫌いだと答えるだろう。


私はもう16回の夏を過ごした。

その時々で最高の夏だったり、最低の夏だったりしたわけだが、どうやら私は夏という季節に拒まれているらしい。

ほとんどが最低の夏だった気がするのだ。


その最低な出来事もまた黒い種くらいの小さなものかもしれないが、私にとっては大きな壁や落とし穴や砲弾だった。


17歳の今の私が抱えるこの悩みや不安だって未来の私にとっては取るに足らない事なのだろう。

今の私が過去の出来事をそう思うように。
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