青の向こう
ワンピースと絆創膏
やっぱり調子に乗って走るんじゃなかった。
しゃがみ込み、膝に息をふーふーかけながら静かに後悔した。
まだ自転車にも乗れないくらい幼い頃は下り坂を見ると無性に駆け出したくなった。
普段よりずっとずっと加速していくように感じるあのスリルと爽快感。
親に強く注意されてからはぴたりとしなくなったけれど、久しぶりにこんな急な坂道を見たらまた気持ちが疼いてしまった。
まあ駆け出すにしてももうこの年齢でする事ではないけれど、さらに転ぶだなんて、なんてみっともないんだろう。
小さい頃は何故かそれで転んだ事などなかったのに。
部活を引退してから体が鈍ってるのかなあと、こういう時にしみじみと思う。