サンタ…クロース?
そう思っていた俺の方がバカだった。
そもそも、できないなら既にできずに帰ってるはずだ。
それを『できるが…』と言った時点で気付くべきだったんだ。
こいつは…本物の…

男は手を前に突き出す。
すると手から青い光が発せられる。
その光が強くなっていく。
やがて目も開けてられない程の光が部屋を包む。

「うっ…」

俺は思わず目を腕で隠して俯く。




光が治まったらしく、俺は目を開けて顔を上げる。
そこには再び煙草に火をつける男と…直ったドアがあった。

「うそ…だろ…」

「やっと信じる気になったか?」

男は含み笑いを見せながら俺に言う。

「あ、あぁ…」

もうこれは…信じざるを得ない状況だ。
「だろ?だろ!?…んじゃあ、俺は次の家に行くぜ。じゃあな」

そういって男は自分で直したドアを開けて外へと出て行った。
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