サンタ…クロース?
「ま、待ってくれ!」

思わず俺は奴を…サンタクロースの息子を呼び止めた。

「ん?なんだ?もう欲しいものはあげられないぞ?」

「い、いや…そうじゃなくて…」

「じゃあなんだ?」
俺の顔を覗き込む。

「あの…その…あ、ありがとうな」

聞きたいことはたくさんあった。

何者なのか。

それはサンタと言われるだろう。

なんでそんなことできるのか。

それはサンタだからと言われるだろう。
聞きたいことはある。
しかし何と言っていいのか分からない。

しかし、その男はすべてを悟ったように笑顔で…

「はは、俺はサンタだからな、あんなのは朝飯前ってやつだ。ま、来年も運が良かったら欲しいモノをくれてやるよ!」

そう言って、煙草をふかしながら去って行った。

「不法侵入の前に…歩き煙草で捕まらないだろうな…」


奴は次の家のドアを蹴破りに行ったのだろう



さて、来年は何を希望してみようか?
金なんてのもいい…だけど…来年もドアを蹴破られるだろうか?
そしたらまたドアの修理を頼もうか?
いや、そんなのは次の日に直せばいいか。
じゃあ来年は、やっぱり…あいつの時間を少し貰って、会話してもらおうか…


「…事実は小説より奇也…か?」

なんてニヤついて考えながら、俺は再びレポートに手を付け始めた。
レポートの完成品を頼めば良かったかな…?なんてことを考えながら…



fin
< 8 / 8 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

DIARY
ISSY/著

総文字数/0

その他0ページ

表紙を見る
遠恋
ISSY/著

総文字数/4,394

恋愛(その他)24ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop