流れ星になったクドリャフカ〜宇宙で死んだ小犬の実話〜
「くるわよね?」
「もちろん!」
僕が大きく頷いた時、背後から声が聞こえた。
「これ、チェルノコフさんからもらってきた」
振り返ると、注射器と水の入ったビンを手にしたトラスキンさんが立っていた。
「トラスキンさん……」
なぜか、とても心強く感じる。
「さ、見つからないうちに早く行こう」
「はい」
僕たちは、走り出した。
こんなことをしても、ただの自己満足にしかならないのかもしれない。
けれど、僕らは彼女の元に走って行く。
彼女ためになにかをしてあげたかった。