流れ星になったクドリャフカ〜宇宙で死んだ小犬の実話〜
第10話「永久に……」
┣届かない真実
クドリャフカは死んだ。
ひとりぼっちの宇宙で、ひとりぼっちで逝った。
たくさんの機械に囲まれながら、クドリャフカは今も地球を回り続けている。
食べる相手のいないエサは時刻通りに押し出され、クドリャフカの体を覆う。
太陽光に加熱される機体は、クドリャフカの亡きがらを蒸し焼きにしていくのだろうか。
世界中が夜空を見上げて、スプートニク2号を探している。
世界中の人々は、クドリャフカの柩を見ては喜んでいた。
世間はまだクドリャフカの死を知らない。
政府は、クドリャフカがまだ元気に生きていると発表し続けている。
クドリャフカの存在は歴史に残る。
けれど、クドリャフカの死は歴史の裏側に隠された。
はぁ……
新聞をたたみながら、溜め息がもれる。
新聞の一面記事は、スプートニク2号だった。
ひとりぼっちの宇宙で、ひとりぼっちで逝った。
たくさんの機械に囲まれながら、クドリャフカは今も地球を回り続けている。
食べる相手のいないエサは時刻通りに押し出され、クドリャフカの体を覆う。
太陽光に加熱される機体は、クドリャフカの亡きがらを蒸し焼きにしていくのだろうか。
世界中が夜空を見上げて、スプートニク2号を探している。
世界中の人々は、クドリャフカの柩を見ては喜んでいた。
世間はまだクドリャフカの死を知らない。
政府は、クドリャフカがまだ元気に生きていると発表し続けている。
クドリャフカの存在は歴史に残る。
けれど、クドリャフカの死は歴史の裏側に隠された。
はぁ……
新聞をたたみながら、溜め息がもれる。
新聞の一面記事は、スプートニク2号だった。