流れ星になったクドリャフカ〜宇宙で死んだ小犬の実話〜

「…………」

「もしもし?」


 一応、電話は切れていないようなのだが、相手は沈黙していた。

 イタズラ電話かという懸念が首をもたげる。


「もしもし?」


 もう一度話しかけた時、ぎこちなく相手が声を発した。


「あ…………ミラン、くん?」


 知っている声で、相手が僕の名前を呼んだ。


「ユリヤさん…………?」


 五ヶ月ぶりに彼女の声を聞いた。
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