流れ星になったクドリャフカ〜宇宙で死んだ小犬の実話〜
「ごっ、ごめ……」
慌ててユリヤさんは、その涙をぬぐい去る。
僕はユリヤさんの涙に動揺して、なんと声をかけたらいいのかわからず、酸素が足らない魚のように小さく口をパクパクするしか出来なかった。
「情けないなぁ……」
俯いて涙をぬぐうユリヤさんに、ようやく口から出たのは、ありきたりな言葉だった。
「どうしたんです……?」
聞かれたくないようなことかもしれないと思いながらも。