流れ星になったクドリャフカ〜宇宙で死んだ小犬の実話〜

「みんなには、内緒だよ……? 設計者が不安に思ってるなんて、いけないことだから」

「はい」


 僕はしっかりと頷き、彼女の打ち明ける不安に耳を傾ける。


「生き物を乗せてロケットが飛ぶのはこれがはじめてだから……設計に関わった人間が不安になるなんて、あってはならないことだとわかってる。だって、そんな設計した本人が不安になるような物に命を乗せるなんて! 私が不安がってたら、みんなだって……」

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