流れ星になったクドリャフカ〜宇宙で死んだ小犬の実話〜
「どの子が、ツガンちゃんなんです?」
約束の日がやって来た。
局長とチェルノコフさんに案内されて、ベルゾニスキーさんがやって来る。
「この子です」
トラスキンさんがツガンを抱き上げ、連れていく。
きゃんぎゃん
ツガンが小さな口を開いて、吠える。
「そうか、君か……」
ツガンをベルゾニスキーが受け取り、抱っこして鼻を突き合わせた。
「かわいい子じゃないか」
ベルゾニスキーさんは目を細め、まるで孫を見つめる祖父のようだ。
その優しい眼差しに、僕は言い知れぬ安心感が広がっていくのを覚えた。
この人なら、大丈夫だ。
きっとツガンを幸せに育てていってくれるだろう。
「ツガンを、よろしくお願いします!」
思わず頭が下がる。
いきなり僕が大きな声を出したせいでみんなは目を丸くして、犬たちも吠えはじめた。