流れ星になったクドリャフカ〜宇宙で死んだ小犬の実話〜
「ああ、構わないよ。局長もご存知だし」
ぽんぽんとイヴァンの頭を撫でながら、頷く。
その目がちらりとこちらを向き、鋭い眼光を見せた。
「ミラン・ハイエル」
フルネームで呼ばれ、ドキッとして立ち上がる。
「はっ、はい!」
何を言われたわけでもないのに、トラスキンさんが言いたいことがわかった。
僕は慌ててバケツを引っつかんで、餌を待つみんなの元へ行く。
「で、なんで連れてきたんです?」
クドリャフカの頭を撫でてエサ箱にドッグフードを入れながら聞いてみる。
「お見合いをさせようと思って」
「誰と?」
「ここの子に決まってるだろ」
ザラザラザラ、とエサ箱からドッグフードが溢れ出した。
「クドリャフカとですか?」
「クドリャフカとはかぎらないが……まあ、相性がいい子とだよな」