流れ星になったクドリャフカ〜宇宙で死んだ小犬の実話〜
 今にも踊り出しそうなほどの彼女の笑顔に、僕は胸がときめくのと同時に締め付けられた。


「そしたら、世界初の偉業よ。この国には人工衛星を打ち上げられるだけの技術がある。それなのに、打ち上げないはずがないわ!」


 対立する大国に、遅れを取るわけにはいかない。

 もしも、それだけの技術があるのに人工衛星を打ち上げず、あの国に先を越されたら目にも当てられない。

 誰がその責任を取る?

 誰もそんな責任を取りたくない。
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