流れ星になったクドリャフカ〜宇宙で死んだ小犬の実話〜
 飼育室のみんなのことだとわかり、納得したように頷く。


「大丈夫よ、そんなにすぐ宇宙へ行かせることにはならないから。ひとまずは、無人の人工衛星から」


 ポンッ


 と、軽く肩を叩かれ、心配症なんだからと笑われる。

 笑い飛ばしてくれたことに安堵して、叩かれた肩にそっと触れた。

 まだまだ先のことなんだ。


「よかった……」


 僕は、笑った。
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