流れ星になったクドリャフカ〜宇宙で死んだ小犬の実話〜

「クドリャフカ」


 隣にクドリャフカを座らせ、小脇に抱えるようにしながら話し掛ける。


 くぅん


 人間ならば、眉間にシワを寄せて眉尻を下げていることだろう。

 困ったような表情をするクドリャフカに、苦笑を浮かべる。


「便秘は辛いよなぁ〜」


 ぽんぽんと軽く叩いたクドリャフカの体には、排泄器具が取り付けられていた。

 これも、スプートニク2号に乗るための訓練だ。

 慣れない状態にクドリャフカたちは困惑して、便秘になってしまったらしい。

 クドリャフカも、ムーカも、アルビナも。


「クドリャフカの様子はどうだ?」


 クドリャフカと同じ格好をしたムーカとアルビナを連れたトラスキンさんが聞いてくる。


「ダメダメですね」

「そうから、こっちもだ」


 訓練チームは下剤も使ってみたらしいが、それでもかんばしくなかった。
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