流れ星になったクドリャフカ〜宇宙で死んだ小犬の実話〜
「大丈夫よ。だって私がいじったんだもん」
「…………へ?」
ぽかん、としてしまう。
「もちろん、内緒で。チェルノコフさんたちが局長に圧力調整をやり直せるように頼んでくれたわ」
「なんで、そんなこと……」
意味がわからなかった。
「クドリャフカ、スプートニクに入ってから、ずっとゼリー餌しか与えられてないでしょう」
宇宙食でもある、ゼリー。
「だから、せめて最後に…………水を、飲ませてあげたいの」
それは、末期の水だった。