Don’t injure me!
そして店から出てきた葡萄少年(だって目が葡萄色だし男だし)は、なんの躊躇いもなく壱川の目の前まで歩んできた。
葡萄少年の葡萄目はガラス越しでもよく見えたが、さすがに髪の色は曇っていてハッキリと見えていなかった。
故に、太陽の光にあたりキラキラと輝くその髪を見て、壱川は少なからず目線をそちらに移してしまう。
とても綺麗な、銀髪だった。
壱川が長身細身なのに対して、その葡萄少年は小柄であった。
しかし、再びニィイっと笑った少年には幼いあどけさなど無く、代わりに言い様のない妖しさが宿っていた。
「俺と遊ぼ、レンちゃん」
子供というのは恐ろしいものだ。