Don’t injure me!

壱川の笑みに気づいた葡萄少年はいきなりどうしたのだと首をかしげた。

すると、壱川が葡萄少年の手をとりギュッと握った。これには葡萄少年も目を丸くする。



「レ、レンちゃ「取り乱してごめんね、ぼくちょっとメンタルが不安定で」


「いやあの「でも君だってアレだよね。ぼくのことを知りすぎるから、だから」


「っ、レンちゃんっ。手イタっ…」


「ほんとはこんなことしたくないけどっ、物騒な人がいちゃぼくみたいな弱い人が危険だもんねっ!」



震える語尾のまま、持っていたナイフを葡萄少年へ向ける!

壱川によって掴まれた手が離せず、葡萄少年は逃げることも出来ない。


仕方がない。


「レンちゃんごめんっ!」

「っ、うあ”ッ…」


キィンッという高い音と、男特有の低い声が裏路地に響く。

葡萄少年もまた隠していたナイフで壱川のものを受け止め、がら空きの腹部を蹴りあげたのだ。

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