Don’t injure me!
へらあっ、と笑う壱川のくせして、そんなに情報通なのか。こいつ、やるな……。という冗談はさておき。
パカンと口を開けて固まっているチャラ男に「まーじでー?」「うっは!リア充脱出せいこー!」と無駄にテンションの高くなるチャラチャラ集団。
「ごちそうさま」また明日ね。そう言って立ち去る壱川であったが、彼の姿が消えた後、口々にチャラ男が彼の話を始めた。
「そういや壱川って、いつもへらへら笑ってるよな」
「その癖、ガードが超かてぇ」
「自分の話題となると『さあ?』だもんなー」
「あれ? つーか壱川って、いつも何してたっけ」
「はあ?そりゃお前………あれ?」
「壱川ってそもそも、どういう奴だっけ」
「なんか本性もよくわかんねぇもんな」
「あー、わかるわかる。へらへら笑ってるくせして、ナイフ持ってるとか。物騒すぎだわな」