恋の味


「か....いと?」


ずいぶん走ったみたいで、陸上部だけど


すごく疲れていた。



「どしたの?」


本当はうれしいくせに。


私は素直になれないんだ。


「....え。あ、いやその....」


頬が赤い。


きっと走ってきたからだろう。


私はもっと赤いだろうなぁ。


海斗とは別の意味で。


「えっと....。あ。俺、佐々木と別れた。あれが別れを告げようと思ったらあっちから別れよって言われて」


「しってるよ」


知ってる。全部未来から聞いた。


「未来から。未来から聞いた」


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