恋の味



「か....いと?」


海斗には聞こえないような声で呟いた。



それは海斗に聞こえるはずがない。



私は話を聞いていた。



そもそも、これが間違いだったのかもしれない。



「久しぶりだね?海斗」


女の子って感じの声。



すごく透き通っていてきれいな声をしている。



「おぅ。ひさしぶり」



「あ!そうだ。土曜日空いてる?小学校のときよく見た映画その日にやるんだって。よかったら一緒に見に行かない?」



なんで?



なんなのこの人。



海斗断るよね?
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