恋の味
合唱コンクール
季節は秋になり、夏休みに必死で覚えた合唱曲、
「この星に生まれて」
夏休み明けの最初の音楽の授業でフルで歌った。
みんな当日の順番で並んで歌った。
私と海斗は端っこだからあまり見えなかったけど、
ひょっと顔を前に出したら見えた。
そのことに気づいて前に出してみたら、
ぱっと目があった。
私は海斗のまっすぐな視線に逃れられなくなり
固まってしまった。
そんな私に気づいたのか、海斗は笑いながら目をそらした。
(はぁー。よかったぁー。)
「...つき。彩月!」
「ん?」
「あてられてるハーモニーって答えて!」
「え?あ、ハ、ハーモニーです!」
咲ありがとぉー!
そういっていたら心にバカにされた。
「彩月ポカ~ンとし過ぎだって!」
おなかを抱えて笑う心。
「心のばかー!」
怒る私。
ふと海斗を見たら、ニコっと笑っていた海斗。
私の顔は真っ赤に染まった。
(反則だよー!そんなのー)