恋の味


海斗....信じていいんだよね?


「海斗」


そうつぶやくと海斗が私のほうを見た。


「彩月」


私に近づいてくる海斗。


「屋上来てくれる?」


コクリとうなずいて無言で私の後をついてきた。


屋上。


鳥肌が立つくらい寒かった。


「昨日、誰と話してたの?」


声が震えた。


「あー。小学校の時の同級生。仲良かったんだよ」


にこっと笑って答えた海斗。


「土曜日。その人とどこか行くの?」


表情が暗くなる。


「.....行かないよ」


嘘。


見てしまったんだもん。


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