恋の味


「幸せか幸せじゃないかなんてお前が決めることじゃないだろ?」


うつむいてしまった。


「俺はお前のことがすきなんだ!」


私だって、海斗のこと好きだよ?


でも今の私じゃ付き合えない。


「私だって.....私だって好きだよ!」


海斗は驚いたような顔で私を見る。



「じゃあ.....なんで...」


「今の私じゃ海斗のこと信じられないの!」


「じゃあね......」


屋上を出ようとする私の腕をつかんだ海斗。



「どういう意味だよ」



困っているような声。



私は震える体を抑える。



「そのまんまの意味だよ」



そういうと私の腕をつかんだ手が緩んだ。



「お幸せに」



今できるだけの笑顔でそういった後屋上を去った。
< 115 / 213 >

この作品をシェア

pagetop