恋の味




「水族館の日、見ちゃったんだ。美人さんと楽しそうに話しているところ。私、我慢できなかった。だからもう嫌になったんだ。海斗のことが信じられなくなったんだ」



そしてゆっくりと目を閉じた。



「......ごめん。俺がトイレを済ませた後戻ろうと思ったけどあいつに会って話していただけなんだ。本当、ごめんな」



申し訳なさそうに謝る海斗。



私は目をつぶったまま空を見た。



「.....私、海斗とやり直せるかな?」



やり直せることなら、やり直したい。



私は海斗の優しさがスキ。
海斗の声がスキ。
海斗のかっこよさがスキ。
海斗の明るさがスキ。
海斗の。



海斗の隣がスキ。




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