恋の味
雪が降る放課後
合唱コンクールが終わってからは
寒さが続く日になっていった。
その間に心には好きな人ができたみたい。
海斗の先輩の小林翔(こばやししょう)。
いつも昼休みには図書室に行って眺める日々。
心にとってはそれが一番の楽しみらしい。
アドレスも交換していてすごい幸せそう。
咲は相変わらず好きな人がいない。
私はいつも通りでいい友達って感じ。
でも、海斗はすごくモテるから
よく告白されているのをみる。
ちょっとショック。
でも全部ふっている。
合唱コンクールの帰り言っていた
海斗の好きな人。
誰なんだろう。
「..つき。彩月!」
「は、はい!」
「考え事してたの?」
咲が心配そうに見つめる。
「ここは?」
自分の世界に入り込んでいたから
自分のこともわからなくなっていった。
「図書室だよ。っていうか大丈夫?
自分がいるところもわからないなんて
重症だよ」
咲がすごく心配してくれる中、
心は小林先輩のことをキラキラした目で見ていた。