恋の味




「あー!今日から憧れの3年生だね!」



はぁー。



憧れてはいないけど、うれしい気持ちはある。



「そうだね。って心さみしくないの?
 先輩、卒業しちゃったじゃん!」



思い出したよな顔で咲が言った。



「んー。そうなんだけど・・・
 私ね、先輩が行った高校に行くって
 決めたんだ。
 だからその時になるまで逢わない
 ってことにした」



心らしくなかった。



いつもの心だったらさみしいよー



とか言うくせに



「心、変わったね」



咲が優しく笑った。


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