恋の味

私が廊下に出たとき、それはもう遅かった。

「いったぁい!」

「いってぇー」

誰かに思いっきりあたった。

「わりぃ、大丈夫?」

「え?あ、うん」

そこにいたのは私が好きな人、大西だった。

「って、大西じゃん」

?????なにそれ・・・?

そんな疑問がわいてくる。

「前から言いたかったんだけどお前と名字かぶってっから、名前で呼ぶわ」

「え?」

「だからお前も名前で呼べ」

ええええええええええええええええええええええ

まさかそんなことを言われるとは思ってもみなかった。

だけど、

「えっと、彩月か。なんか変かな?」

「変だよ!そんなの絶対変だよ!」

ついむきになってしまった。

「いいじゃん別に」

にやにやしながら心が言う。

それに続けて咲も

「そのほうがお互いわかりやすいんじゃないの?」

って。

待ってよぉー!

そんなの、無理!

「だよな、んじゃばいばい彩月!」

と言って走って行った。

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