恋の味

私はにこっと笑って、あめをあげた。


「これ、あげる!
 恋をする女の子には恋の味がするんだよ」


袋をとってアメを出した。


「....ありが..と」


「どう?」


未来は迷いもせず、にこっと笑って


「恋の味がする」


今、私たちは笑っている。


恋の味がするアメをなめながら


優しい光に包まれて教室にかえった。
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