BITTER HONEY~女上司とイケメン部下の秘密結婚~
《11》結婚は茨の道?

ー棗sideー

俺は奈有の唾液と口紅で濡れた唇を指で拭いながら、オフィスへと戻る。



あのまま、誰も居ない朝の会議室で奈有を抱き締めたかったけど…



そこは理性で本能を抑え込んだ…




「課長の話は終わったの?」



給湯室から出て来た中島さんと鉢合わせした。




「…よくも…俺をハメたな」



「…小野瀬さんは私ではなく…課長を選ぶのね…」


「…俺は最初からお前なんて眼中に入ってないさ!」



俺は中島さんに怒声を浴びせる。



「…小野瀬…」



戻って来た奈有が俺に声を掛けた。



「二人で私を馬鹿にして…小野瀬さんも課長も許さないんだから…」


中島さんは泣かず、恨み言をぶちまけて先にフロアに戻った。
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