その衝動の果て…【完】
オヤジの佐々木大希(ささき たいき)は、現在母の夫であり、

僕の戸籍上の父親だった。


オヤジの想いが叶うまでの道のりは平坦ではなく、本当に長かった。

オヤジは大学時代に母と出会う。

出会った瞬間母に一目ぼれをしたが、その時母の心の中にはアイツがいた。

それはアイツの感情を宿した眞人だった。

それから、大学時代眞人と親友だったオヤジは

母と居る時間も必然的に長くなったが…

親友のカノジョだからと、それ以上踏み込むことはなかった。


その後、眞人が突然の失踪…

その時一番身近にいたオヤジは、友人として母に手を差し伸べる…

母は、手助けをするというオヤジの援助を最初は遠慮から拒否した。

しかしオヤジは母の拒絶をはねのけ、カノジョをそばで支え続けた。

母も次第に心を開きオヤジを頼りはしたものの、あくまで友人として…

いつまでたっても眞人を忘れることができずにいた。


7年後、眞人が失踪宣告を受けても、その関係が変わることはなかった。

そんな状況に悩むオヤジの前にある一人の女が現れる。

これだけの時間が流れても変わらない母に、

友人として関わる方がいいのかと思い切って、

その気になった女との未来を考え始めた時、その事件が起こる。

その事件は、オヤジの周りの全てを変えた。


その後もう数年かかって、やっと母と結婚。それからも、色々とあった…

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