その衝動の果て…【完】
どのくらい時間が過ぎたのだろう…

気が付いたら、オヤジにつつかれて目が覚めた。

僕はそのままその場で眠ってしまっていたらしい…

そのまま消えてなくなればいいのに、目覚めれば現実は目の前にある…

そう強姦未遂の現行犯。捕まえたのは警察ではなくオヤジだったが…


眠気眼で、まだ意識のはっきりしない僕に向かって、

オヤジは視線を逸らしたまま独り言のように話し始めた。

「マンションのカギと、住所だ。そこなら大学に通えるところだろう…

必要なものは後日そっちに送る俺の家族カードで買えばいい。

連絡はしばらくはメールをしてくれ。

ほのかがお前を溺愛していなければ…

あの場で殺してやるところだった。

もう二度と、その醜態を母親のほのかの前に晒すな。

このままそれを持って俺の目の前から消えてくれ…

せめてお前を息子だったから殺すのだけはと思っている今のうちに…

消えてくれ」

そう言ってキーホルダーのついたカギと紙を、掌に押し付けられる。
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