恋はとなりに
片思いの終わり


「あ、ラインきたよ。」

隣にいるカケルくんに報告した。

「誰から?」

カケルくんは百日紅の花の枝を自分の鼻に近づけながら言った。


「今日の合コンで知り合った人。河瀬くんっていうの。『週末食事に行きませんか?』だって。」


あたしはベンチに座り少しドキドキしながら、河瀬くんからのメールを見つめていた。
すると携帯を急に取り上げられた。
「ちょっと!?なにするの、返して!」
カケルくんは携帯を高く上げて河瀬くんからのラインを見ている。

「俺が返信してやる。」

カケルくんはを打ちはじめあっという間に送信して携帯を返してくれた。

「さくらは恋愛に慣れてないだろう?そんな誘いは3回くらいは断らなきゃ。すぐついてくる女なんか魅力ないから。」

カケル君は自信満々に言うから、あたしもそういうものかと納得してしまった。
何しろ恋愛経験がないから何にもわからない。

16才から20才までの4年間をカケル君に片思いしていたのだ。

河瀬くんとのトーク画面を見てみたら、″無理″と一言だけ。唖然として言葉も出なかった。こんなんでいいの?って聞きたかったけどやめた。

河瀬くんの出方を待つことに。これで会わなくなるならそれまでの人ってことだし。

カケル君を見たら舌を出して意地悪そうに笑った。
意地悪そうなのに、絶対優しいってわかる
だからずっと好きだった。

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