恋はとなりに
「ねぇどんな子なの?」
夕飯の席はコウタを質問攻めにした。
その結果わかったのは
コウタより1つ下の、高校2年生 沢村亜也ちゃん
告白されてOKしたそうだ。
髪は肩くらいの長さ、
まだほとんど話したことないからそれくらいしかわからないらしい。
「でも今度は、大切にできると思う。」
と根拠もなく言っていた。
あたしはコウタが彼女のこと話すのを複雑な心境で聞いていた。
コウタはあたしと居て楽しくないのかな?
あたしといるより沢村亜也ちゃんといる方がいいってこと?
あたしが河瀬君と付き合ってるから?
あたしはコウタといると楽しいのに、コウタはもう違うんだね?
聞きたいことは、まだまだたくさんあったけど聞けなかった。
あ~あ。こんな気持ちなのに河瀬君と付き合ってていいのかな。あたしはコウタが好きなんだな。
カケル君は?
「カケル君は最近彼女いないの?」
夕飯を食べ終えソファーでテレビを見ながらカケル君に聞いた。
「いない。遊びは終わったんだ。」
「ええ?!今までのは遊びだったの?」
「遊びみたいなもんだなぁ。好きだけど、可愛いだけーとか。スタイルいいなーとか。だけで心の繋がりがないって言うか……。」
カケル君の言葉を聞きながら理解できないでいた。
「なにそれ、そういう子を家に連れてきてたの?」
「うん。母さんが付き合ってるなら連れてこいって言うから。」
なにそれ、変なとこ素直。
「真面目に付き合える彼女はなかなかできないの?」
「うーん。なかなかね、できないね。いいなーと思う子はいるんだけど。彼氏がいるみたいなんだ。」
「ふーん、そっか……。彼氏がいたらだめだねぇ。」
あたしがかつて恋してたカケル君はこんなだったのか……、なんだかショックで話も半分聞いてなかった。
「そんな軽い気持ちで付き合ってたら、あたしとも付き合ってくれたってよかったんじゃない?なーんて、今さら言っても仕方ないけど。」
「……さくらは妹みたいだったから。」
カケル君は拗ねたような顔をした。でも、次の瞬間
「まだ高校生だったし、軽い気持ちでなんか付き合えねーよ。」
と、開き直った。
「ま、それもそうだね。カケル君が正しいね。付き合ってたら今こうして隣に座っていられないかもしれないもんね。」
「おお。やっぱり大人になったんだなぁ。わかってくれたかー。」