恋はとなりに
コウタの言葉が胸に突き刺さった。
笑ってない。
確かに。
笑わないようにしていた
笑ったら泣いてしまいそうだったから。
カケル君に好きと言われて、気持ちに向き合えなくなっていた。
あたしは顔をを両手で覆って泣き出した。
感情にも蓋をしてた。
カケル君を見てると、思い出してしまう。
彼女を連れてきて、それを見て落ち込んでた自分。
あの時もあたしを好きだった?
聞きたいけど、聞きたくない。
好きだったって言われても、困る。
好きじゃなかったって言ってくれた方がいい。
何回も断られたこと。
カケル君を見てると、辛くなって……
だから考えないようにしてた。
無意識のうちに心に蓋をしてた。
カケル君の気持ち、嬉しいはずなのに、喜べない自分がいて心の整理もつけることが出来ずにいた。
そういうこと支離滅裂に話した。
カケル君もコウタも聞いてくれた。
泣きながら話しているうちに、カケル君への怒りが沸いてきて
カケル君への想いを断つ為に、コウタと付き合おうとしたり、河瀬君のこと傷つけてしまったのも全部カケル君のせいに思えてカケル君を叩いた。
カケル君はただ黙って、あたしの頭を撫でていてくれた。
コウタはいつの間にかいなくなっていた。
「ごめん、もっと早く言うべきだった。俺も自分の気持ちに向き合えなくて、たくさんの人傷つけた。」
カケル君はそう言って部屋から出てった。
翌朝は泣き腫らしたまぶたのまま大学に行った。
ももちゃんはあたしの顔を見てビックリしているようだった。
大学にいるときはカケル君のこと忘れられたから、普通に過ごせてた。
だからカケル君に告白されたこと今日初めてももちゃんに話した。
「えーやったじゃーん。」
ももちゃんの第一感想。
「でも、喜べない。」
「なんで~?好きじゃないの?」
「もうわかんない。」
「今までのことはさ、忘れちゃいなよ。これからのこと考えなよ。」
「……それができたらね……、いいんだけど。」