恋はとなりに
付き合うってどういう感じなんだろう。
桃子ちゃんは苦しいって言ってたけど。今あたしとカケル君が付き合ったら、すごく苦しくなりそう。
カケル君があたしを好きって言ってこない限り、付き合っても苦しいだけかも。
でもそんなこと一生なさそうだ。
あたしはどうしたらいいんだろう。
片思いを続けるのか、カケル君を忘れて新しい恋をするか。
新しい恋ができるなら、とっくにしてる。
できないから悩んでるんだ。
サイダーを手にして座った桃子ちゃん。
「今度合コンでも行ってみない?」
唐突に言った。合コンとは、テレビでチラッと見たような…ないような。ってくらいであたしには未知の世界。
なので首を思い切り横に振った。
「あたしも行ったことないし、まだ何の予定もないから大丈夫だよ?だって友達さくら以外いないし。」
それを聞いて安心した。
ジュースを6杯ずつ飲んで帰った。
あたしは桃子ちゃんと言う友達に出会ってから、大学に行くのが数段楽しくなった。桃子ちゃんのおかげ。
友達がいない人生を今では考えられない。
これまで隣のカケル君一筋に生きてきた。コウタも居てくれたりしたけど。
友情ってわけじゃないし。
宝物を手に入れた気分だった。
あたしの中でカケル君の存在が薄れてきた。
クリスマスも一緒に過ごした。
お正月も。
コウタにも会うけど普通だった。あたしが気にならなかった。立ち話はしない挨拶だけ、コウタは行ってしまう。