恋はとなりに
仕方がないから、25日の朝。家の前を掃除しながら出待ちした。
家からカケル君が出てきたら、こっそり後をつけた。
家の前で告白はさすがやに誰かに見られてそうだから。
駅の方に行く畑の畦道に入るとカケル君はくるっと振り返った。
「さくら、ずっと気づいてんだけど、なんか用?」
怒り口調のカケル君。あたしは隠れる場所もなくて、いそいそとカケル君に近づいた。
「尾行なんかするな!趣味わりぃな。」
不機嫌そうなカケル君。こんなときにこんなこと言わなきゃいけないなんて、あたしのバカバカバカーーー!!!って思いながら。
深呼吸した。
「カケル君が好き。大好き!もう気持ちが止められないの。それだけ言いたくて。」
目をつむりながら一息に吐き出した。今思えば自分勝手な告白。
恐る恐る目を開けると、カケル君の不機嫌そうな顔は1ミリも変わってなかった。
「言われても困るんだよ。さくらは妹にしか見えない。告白なんかすんなバカヤロ。」
小さな声でそう言うとまた振り返り駅に向かい歩き出した。
あたしは何がなんだかわからず、涙が止まらず。フラレるってわかっていたのにこんなにショックだなんて知らなかった。冬休みでよかった。
告白なんかしなきゃよかった!あんなやつ好きにならなきゃよかった!
もう忘れてやる!新しい恋をしよう!
と17のクリスマスに誓いをたてた。