恋はとなりに
夕方、桃子ちゃんが来るまで部屋にこもっていた。
桃子ちゃんが来てから下に降りた。
桃子ちゃんはどんよりしたあたしを見て、不安そうな顔になった。
「おめでとう!さくら。とりあえず部屋に行こうか。」
桃子ちゃんは言った。
部屋に入ると桃子ちゃんは厳しい顔になった。
「何よ、その顔。泣いたの?何があったの?」
あたしたちはベッドに並んで座った。
あたしはカケル君に会ったことを話した。
自分の気持ちがよくわからないこと。苦しいこと。
それらを話すと、桃子ちゃんは大きく頷いた。
「成長したね。会ったら心が動いたんだね。」
あたしはまた泣いていた。さっきのことを思い出して。
「彼氏つくろう!!適当なの見繕うから。会ってみてさ、デートしたりしたら、いいリハビリになるよ。」
桃子ちゃんは明るく自信満々に言った。
あたしは答える余裕もなかった。