恋はとなりに

失恋で頭が冴えないまま年が開け
新学期が始まった。市内の公立高校に通うあたし。

改めて回りの男子を見渡すも、カケル君に勝る人がいない。

同級生は子どもっぽく見えた。

ため息をついて窓の外に目を向ける。
上級生が体育の授業をしている。

みんなちっとも輝いてみえない。カケル君みたいに素敵な人は1人もいない!

あたしはまたため息がこぼれた。

やっぱり隣に引っ越してきたのって運命なんじゃないかな・・・。

だからカケル君だけあんなにキラキラ輝いてみえるんだ。

恋心の復活は雪をも溶かす勢いで、駅からの畦道を走って帰った。

カケル君が我が家の玄関にいた。

会うのはあの告白以来。ドキッとする。

あたしのお母さんが
「今、カケル君におみやげ頂いたのよ。北海道行って来たんだって。」

と教えてくれた。
「へーどうもありがとー。北海道行ってたのか・・・。」

あたしはいつも通りの言葉を交わした。

学校で輝いてない人たちを見てきたから改めてカケル君がキラキラ眩しいあたしの太陽ってことを再確認できた。


カケル君も普通だった。あたしの告白なんてなかったことになってるっぽい。

それでもいい。あたしはカケル君が好き。彼女がいてもいい。

大事にしようこの気持ち。



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